ちょっととぼけたタイトルのこの雑誌、『ぽかん』待望の第二号刊行です。有名無名をいっさい問わず、ただひたすら編集者の視点で、気に入った書き手たちから文章を寄稿してもらったというシンプルなコンセプト。そのつくりからは純粋に「雑誌」というものの面白さが様々に伝わってきます。
巻頭特集は、寺島珠雄さんの同名の著作からつけたという「私の大阪地図」。『CABIN』発行人である中尾務さんをナビゲーターとして迎えた港区・此花区・西区散策や、団地、古書店から見えてくる大阪の姿、そして『私の大阪地図』の読書感想文など、様々な書き手によって、ここにしかない大阪地図が紡がれていきます。さらに「本を読むということ」への愛が伝わってくる散文の数々は今号も充実。1号よりも24ページ増量し、「読む」楽しみもますますふくらむはず。
中身も充実、表紙も美しく、デザインも洒落つつ、かつタイトルも秀逸なこの『ぽかん』は、インディーズでなくてはできない自由かつ細部までのこだわりが魅力的な実に雑誌らしい雑誌。読むこと観ることの好きな人たちへ贈ります。
ぽかん編集部 / 148mm × 210mm / 88P / ソフトカバー