文芸リトルプレス『ぽかん』から別冊が誕生しました。こちらは「ぽかん編集室と仲間たち」と称して、当店2013〜14年の冬の古書市へ編集部が参加した記念号ともなっています。内容は散文と目録。本や暮らし、誰かへ宛てた手紙…計12名による散文が粋なイラストと共に掲載されているのですが、そこから生まれる静かながらも自由な空気はこの雑誌特有のもの。そしてそれ以上に注目なのは、なんといっても参加古書店の出品書の目録です。渋いながらもしっかりと「生きた」セレクトによる古書の一冊一冊を見ていると、いつかの時代の誰かの書棚を覗かせてもらっているかのよう。この目録は当然古書市終了後は眺めるだけとなるのですが、もしかすると文章よりも深く豊かなものを読む者に投げかけてくる、そんな気持ちになるかもしれません。参加古書店は「固有の鼻歌」「歩希書房」「M堂」「古書柳」の4店。散文と目録という、まさにこの雑誌ならではの構成をじっくりお楽しみ下さい。
制作・発行:ぽかん編集部 / イラスト:大平高之 / 183mm × 257mm / 48P / ソフトカバー(無線綴じ冊子)