久しぶりに登場の『ぽかん』、待望の第3号です。今回から体裁が大幅にリニューアルされがらりと変わった雰囲気ですが、シンブルな構成と確かな筆力の書き手たちによる味わい深くも読みごたえのある内容です。作家・山田稔氏によるこの雑誌の名付けのエピソードから始まり、石神井書林の内堀弘氏による『彷書月刊』の追憶で締めくくられるまで、文学、本、詩人、詩集、そしてそれらにまつわる事物など、基本的には読書人に向けての内容ですが、編集人の真治彩さんによるセンスと熱意がいかんなく発揮された落ち着いた一冊です。今回から、一人の書き手が人生で出会った本100冊をひたすら語る名物企画「ぼくの百」が別紙に添えられる形となり、更に近代ナリコさんら6人の執筆者で構成される「のんしゃらん通信」なるおまけペーパーもつけられ豪華な号となりました。読書人の心を刺激するたぐいまれな魅力のこの冊子を今回もどうぞお楽しみください。表紙・別紙のコラージュは林哲夫さんというのも本当に贅沢な一冊です。
制作・発行:ぽかん編集部 / 150mm × 150mm / 48P / 中綴じ冊子