「こないだはどうも」…と軽やかに挨拶し、語らい合う。長い年月を文学の場で過ごし、多くの知己を得てきた作家・山田稔が親しき人々に思いを込めて綴るメモワール。富士正晴、杉本秀太郎、福田紀一、鶴見俊輔ら様々な人物の記憶がゆったりと浮かび上がり、その穏やかな筆によって彼方から呼び戻され、読者の眼前に姿を現しまた消えてゆく。山田文学の根幹であり魅力のひとつである「記憶し」「思い出すということ」、そこから生まれる特有の文体。その豊かな香りと味わいを感じて欲しい一冊です。著者にとって、そしてファンにとっても特別な意味合いを持つ「こないだ」という言葉が満を持してタイトルにつけられた、その点も特別な一冊と言えるでしょう。『天野さんの傘』以来3年ぶりの、未発表文も数編含まれた本書。著者自装となるシンプルな布張りの表紙が静かな輝きを放っています。
※ただいま著者サイン本となっております。
商品情報 |
著者 | 山田稔 |
発行 | 編集工房ノア |
サイズ | 135mm x 193mm |
ページ数 | 285P |
その他 | ハードカバー、2018年5月刊行 |