京都の版元・編集工房SUREの中でもロングセラーにして非常に京都らしい秀逸な作品がこちら。京都市の職員として長く務め、また市井の運動家としても活動した北沢恒彦の遺稿である前者と、それをなぞるかのような内容の山田稔によって書き下ろされた後者。高校時代の一人の恩師の名前とその人が愛した「酒」をキーワードに、この2つの文章が互いに共鳴しあい、ある時代の京都の街角、その空気や風景や人々の顔をゆらりと浮かび上がらせる味わい深く粋な内容。回想と思索と酒。対をなすこの一組の冊子から立ちのぼる独特の香りが、まさにこの版元らしい本づくりを体現するかのようです。文庫本サイズという版型やボール紙風のケース入りという洒落た造本も魅力的な名作です。
*ケース自体は簡素な造りのため、少しの歪みや角の小さなめくれなどが見られる場合がございますが正規の品としてそのまま販売しております。どうぞ事前にご了解いただけますと幸いです。
著著者:北沢恒彦、山田稔 / 出版社:編集グループSURE / 105mm × 150mm / 2冊組 / 各P44、P54 / 無線綴じ冊子(ケース入り)