1992年生まれ、茨城県出身。「メロンパンフェス」の主宰でもあり、書き手として活躍の場を広げるひらいめぐみさんによるエッセイ本。
誰しもが胸にしまい、ときどき思い浮かべ、繰り返し噛み締めることのある「食べる」にまつわるエピソード32編を収録。7歳の頃から集めつづけているたまごシールのこと、食べることが遅い話、「好きなものを最後まで残すか、最初に食べるか」についての論議、外食で同じメニューばかり頼んでしまう話、おとなになって初めて食べたもの…。生活の中に深く沈み込む「食べる」ことをさまざまな角度より見つめ、思索し、記憶と交わりながら紡ぎだされたお話はいずれも素直で心地よい文体で綴られており、読み進めているうちに深甚な親近感と淡い嬉しさを抱きます。
やわらかなタッチで描かれた愛らしい食材たちが魅力的な装画は三好愛さん。(韓)