私のからだの内側に
しるしをつけてください
拭いてもなかなか
ぬぐえないような
雨ではりついた花びらみたいな
上等で美しい
生きもののような
イラストレーターであり、旅行記などのエッセイや小説、絵本などを手がけ、作家としていろいろな顔を持つ安西水丸さん。
本書は晩年、小説現代に連載していた漫画作品に、関係の深い作家によりまつわるエッセイを合わせたもの。
漫画作品は「陽だまり」、「アメンボ」、「ボートハウス」、「冬の客」という大人の色香を感じる4篇を収録。漫画作品の間に水丸さんについて、短いエッセイが差し込まれ、それぞれが語る水丸さんの思い出や印象が尊き1冊です。
(原口)
《初出》
「陽だまり」…小説現代特別編集「不良読本」March 2008 Vol.1、「アメンボ」…小説現代2009年4月号、「ボートハウス」…小説現代2009年8月号、「冬の客」…小説現代2010年1月号、「安西水丸さんのこと」村上春樹…世田谷文学館友の会会報第60号(2021年12月14日)。以下のエッセイはすべて書き下ろしです。「安西水丸さんについてのエトセトラ」柴門ふみ、「安西水丸さんのイラストレーション」木内達朗、「毒舌と余白」角田光代、「角鉢のなかの風景」平松洋子、「安西先生のこと」信濃八太郎。
- 講談社BOOK倶楽部より