イラストレーターとして、多岐に渡り活動を行う安西水丸さんによる旅絵日記『たびたびの旅』が、このたび装い新たに復刊いたしました。もとより自由人である安西さんが仕事で、或いは気の向くまま訪れたさまざまな旅先での様子が平淡な文章と温もりを纏うイラストで綴られています。仙台からオスロへ、小樽からハイデルベルグへ…。見知らぬ街を歩き、書き留めた「遠くの町に来ています」、日本酒を飲み、川を渡って珈琲を飲みに行く。灯りの消えない賑やかな街でのエピソードが並ぶ「夜の街に出てみました」、8席という狭さでありながら常に客で賑わう店、表情を変え続ける夏空の下訪れる温泉でのあれこれ…。「旅のスケッチを描きました」の3章仕立て。日記のようでもあり、エッセイでもあり、おおらかな旅物語でもある。洒脱でのびやかな旅日記を、安西さんのやわらかな眼差しに重ねてご堪能ください。挿絵図版もたっぷりと収録。