"アジアを読む文学誌"
さまざまな文化が交差し独自の文化分布を形成するアジア。その均すことのできない価値観を独自の感性で編集し、個人メディアとして発信する本書。これまでアジアのオルタナティブな音楽や文化を日本に向け発信してきたライター・山本佳奈子さんがひとりで企画・編集し執筆、運営しています。異なる文化を知り、混じり合う部分を読み解き考える、WEB発信では伝えきれない内容の丁寧な編集です。第二号はインタビュー・エッセイ・聞き書き・論考と、マスメディアでは拾われにくい個人的なルーツに関わる話はダイレクトに語りまとめられており、情報の鮮度がありながらWEBのスピードでは省かれる文字量の活きたじっくり読みたい8本立て。
■目次
- グローバル時代における韓国・東アジアのグラフィックデザイン 後藤哲也インタビュー(聞き手:山本佳奈子)
韓国と日本での「コンセプト」の違い、韓国のフィルターを通した西洋のデザイン、他
- すれ違いながら、手をつなぐ 依田 那美紀
「シルクロード・サンドストーム」をめぐる女同士の関係
- 火鍋屋の大門さん 檀上 遼
台湾滞在記『馬馬虎虎(マーマーフーフー)』など、文筆と写真を中心に活動する檀上さんによる聞き書き。
- どうして私はチベットのお寺で泣いてしまったんですか
チベット・セラ寺で見た問答修行、頬にかかるおばあさんの吐息など、まなざしに親しみこもるエッセイ
- 時間が?麦郎への答えである 顔 峻 解説:山本 佳奈子
中英バイリンガルのWEB批評誌『黒歯(ヘイチ)』で2021年7月に発表された北京在住である演奏家・詩人、顔 峻による文章の日本語訳。
- 香港情景 子育てする移民:元駐在員の香港生活記 渡邊 順祐
2018年から2022年まで海外駐在員として香港に滞在していた著者が語る日々と社会。
- 論考 連載第二回 台湾における市民による地下メディア実践と民主化との関係 和田 敬
民主化の土台をつくった「常外雑誌」について、ローカルメディア研究者の和田さんによる論考
- マオイストの村、そこで暮らす父 石田 みどり
「私のことは死んだと思ってくれ。私はネパールに行く。」父の突然の宣言の理由とは…。
(原口)