2011年の立ち上げ以来、ウェブでインタビュー記事やコラムを発信し、現在進行形のアジアを日本語話者に向けて発信してきた Offshore。アジアのカルチャーを紹介する個人やメディアがぐんと増え、「知る」ことは容易になったここ十年ほどですが、まだまだ「理解」する段階には至っていないアジアについて、じっくりと「読む」ことを主眼に置いた紙メディアを作ろうと創刊された文芸誌です。
『愛と火事』(創元社)などの著書で知られるライターの太田明日香さん、「普通に読める日本語の雑誌」をキャッチフレーズとするリトルプレス『トラべシア』発行人の鈴木並木さん、旅行記『馬馬虎虎』シリーズや『声はどこから』でアジアを旅してきた檀上 遼さんらバラエティ豊かな才能が執筆陣に名を連ねます。また、本誌発行人の山本佳奈子さんによる、玉音放送のリサーチや台湾でのレジデンスを経て最新作『並行的玉音軌』をリリースした dj sniff インタビューも収載。複雑で均すことのできないアジアをエッセイ、創作、論考、詩、聞き書き、インタビューなどのテキストを通じて読み、考え、書き、さらに読み、再び考えさらに書く。安易なカテゴライズでは捉えきれない、これまで知らなかったアジアに出会う旅へ。アジアの渡り鳥であるツバメを描いた印象的なカバー画は中国のイラストレーター、リウ・ルー。(涌上)