東京に出てきた頃、お酒を美味しいと思うようになった頃、その背景にはあの店あの場所があった。浅草、吉祥寺・阿佐ヶ谷、中目黒、銀座…。どの街にも歴史があり物語がある。そのなかにそれぞれの人がそれぞれの人生とともに入ってゆく。そこで出会う酒の味はどんなものだろう。本書では、著者が自身の体験を振り返りながらそれぞれの場とお酒の関係をひもといてゆきます。そこにあるのは人と場所とお酒の優しい関係。甲斐みのりさんならではの、東京という街を楽しむもうひとつの案内図。単なるお店紹介とは異なり、甲斐さん自身の小さな個人史をまじえながら語られる物語は独特の味わいと叙情があります。お酒を飲まない人にもきっと楽しめる一冊。
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