京都生まれ、京都育ちの哲学者が、つねにその沿線で暮らし、人生のすべてがそこにあるという市バス路線=206番へ乗り込んで、千年の都をぐるりと一周。「聖」「性」「学」「遊」が複雑な入れ子構造をなし、別世界への抜け孔に満ちた街のからくりを解き明かします。南端である京都駅を出発し、東回りに、いわゆる洛中・洛外の境界線上をなぞるように走るバスが通り抜けるのは、世界に名だたる古寺名刹、祇園をはじめとする花街や旧遊郭、そして個性ある大学の数々。そうした「表」の京都のかげにある、慎ましくもしたたかな住人の日常へ焦点を当て、ありきたりの観光旅行では知ることのない平熱の京都を紹介しています。京都人にとっては知ってほしいようで教えたくない街の素顔を、鮮やかにかつ温かい目なざしをもって描き出した、当店ロングセラーの一冊です。
商品情報 |
著者 | 鷲田清一 |
出版社 | 講談社 |
サイズ | 105mm ×150mm |
ページ数 | 274P |
その他 | ソフトカバー |