「ふしあわせという名の猫をいつもかたわらに飼っている少女たちにこの本をおくります」…という冒頭の辞からはじまる、寺山修司による詩と散文集。すべての少女たちが持つ不安や鬱屈を猫の姿に託し、それを愛情こめて包み込んだ著者のペンが優しく切ない一冊。宇野亜喜良による挿絵、映画のスチール写真、秀逸なブックデザインなどやはりすべてが魅力的。少女たちの理解者・寺山修司によるフォアレディースの中の名著です。当時の読者ハガキや版元の宣伝しおり入り。小口に細かなシミあり、それ以外は特に大きなダメージはなく本文にも問題ありません。
著者:寺山修司 / 出版社:新書館 / 155mm × 170mm / 152P / ソフトカバー / 1972年新装版初版 / G