串田孫一による優しく穏やかな随想集。童話に書いた兎の眼の思い出ばなしを語った表題作ほか、山と動物と自然と星と…著者ならではの世界がリリカルに表現されたたおやかな一冊。一編一編は短い文章ながら、それゆえ散文詩のような趣きも味わえる魅力ある一冊です。著者自装の造本もストイックな美しさをたたえた雰囲気が素敵です。小口上部全体に細かいシミが目立ちます。それ以外は古書としてごく普通の状態です。
著著者:串田孫一 / 出版社:青蛾書房 / 135mm × 195mm / 237p / ハードカバー / 1973年第2刷 / 帯付き / G