東京・吉祥寺駅北口から徒歩で数分、昭和通りに面したビルの2階にある古本屋「百年」。
アートブックや写真集を中心に、文芸、漫画、児童書、リトルプレスなどを取り揃え、壁面では定期的に展示も開催している少しユニークな古本屋さんです。
本書は店主である樽本樹廣さんが、「百年」開店直前の2006年7月から、1周年を迎える翌年8月までの日記と、現在の視点からのコメントを掲載した1冊。
大学卒業後に新刊書店で働いたあと、古本屋としての経験なしに独立した苦楽と共に語られるのは、当時好きだった音楽やライフワーク、お店での出来事による気づきの数々。そしてその日の日記の後に、小さな文字で現時点のお兄さんのような親しみこもった一言が。
また、「ほんのこと」という短いエッセイの差しこみが付録としてついています。
デザインは「百年」のスタッフでデザイナーの森島彩生さんです。
赴く先に「百年」があって、それが本屋さんなんてなんて素敵なのでしょう。
(原口)