「みんなが島を忘れずにいれば、きっと私たちは間違いを起こさずに済むと思います。」
有吉佐和子「私は忘れない」より(本文引用)
「水平線の彼方にあって、島は私たちを誘ってやまない。
しかしその一方で、島は私たちをきびしく拒否する。
船から下りて、島の中に入ってゆくとき、島はたちまち幻と化する。
島は、決して真に到達することのできない場所なのである。」
岡谷公二「島 水平線に棲む幻たち」より(本文引用)
京都府美山市在住の写真家・森本徹さん、ティナ・バゲさんによる作品集。
島国である / 島国としての日本の本来の素顔、島民として暮らす日本人を探すため日本各地をまわり、2014年から6年間おさめつづけた写真群を収録。島のコミュニティとを形成する人々の表情、本土の大陸的なサイクルに身を置かないからこそ色濃く残る島国の風土。継承されてきた習慣と文化。「不便で撮影枚数が限られたフィルムカメラは、離島そのもののように思えた」と語る森さん。その真摯な眼差しを通しおさめられた、無垢の美しさを纏う「IMPERFECT UTOPIA(不完全なるユートピア)」の断片をぜひお手元で。限定400部。(韓)