パリ在住の写真家・Aurelie Scouarnec(オーレリー・スクアルネック)による作品集。2020年初頭より定期的に野生動物のケアセンターに足を運び、保護されていた鳥類、哺乳類などさまざまな野生動物の手当てや世話に同席しながら、絶えず撮影をつづけてきました。緊張し硬直した身体、力なく垂れた足、抜けてしまった羽、皮膚と皮を包むガーゼ。放棄され、傷つき、衰弱した肉体を慎重に扱う飼育員の手…。本書では、人の手による「つかの間の捕獲」について思考をめぐらせます。人間の営みにより縮小された環境で被害を受けてしまった野生動物と、その摩擦を人間の手で修復しようとする様子、僅かに生まれるずれとパラドックス、非合理的な行為。振動する些細な生命力と、静かな脈動の宿る一冊。仏英バイリンガル表記。(韓)