自分はもちろん見る人の趣味嗜好も排除したいとモチーフを探し行き着いたという、石膏像を描いた作品集。
美しく滑らかな質感は、一見鉛筆画のようですが、全て筆と絵の具で描かれたもの。真っ白の紙に大きく配置された石膏像を次々見つめていると、次第に仏画のように見えてくる。石膏像はべつに好きでもなんともなかったはずなのに、不思議と惹き込まれてしまいました。
ハダタカヒト
1988年兵庫県生まれ。長野県在住。個展を中心に絵を発表し、主に子どもの本の挿絵、絵本の作画を手掛ける。絵本に『まどのそと』(文:佐野史郎 編:東 雅夫/岩崎書店)など。