ブンメ・イラーゴはおばあさんと二人暮らし。来ないバスを毎日バス停で待っている。村の暮らしに飽きたのか、おばあさんとの生活では満たされないのか、彼の本当の望みはどこにあるのか。バスを待ちながらも、周囲の人々との交流はつづき、やがて…。手描き漫画を手差し印刷して冊子制作を長く続けてきた手差ユニッツさんのこの新作は、今回もシュールな雰囲気と懐かしいタッチに満ちていて、読んでいると不思議な世界に引っ張られてしまいます。シンプルで愛らしい絵、ユニークなテンポとストーリー、牧歌的で先鋭。「バスを待つ」というテーマはどこか人を惹きつけるもの。バスは来るのかブンメの旅立ちは訪れるのか? この独特の漫画世界をぜひお楽しみください。
*本書は手製本の冊子ではなく無線綴じの印刷本となります。