昭和の漫画家を思わせる独特の味わいを持った作風、名前の示す通り手づくりにこだわった造本、そしてちょっとシュールで懐かしい風景。これまでも様々な作品で多くの人を静かに魅了してきた手差ユニッツが、自身の子育てを通じて生み出した新しい作品『登園』。毎日通う幼稚園あるいは保育園。その途中には、子どもの目線を優しく受け入れる豊かで新しい何かが待っている。本作では、そのひとつひとつを見つめ自分だけの世界を広げてゆく子どもの姿がラフであたたかなタッチで描かれています。 スタイルは四コマであったり一コマであったりイラストであったりと様々ですが、そのどれもが日々の小さな幸せと新たな発見に共感する優しいもの。子どもの低い目線をともに見つめながらぜひページをめくってみてください。リソグラフ印刷、手作業の製本と、今回も作者ならではの風合いが生きています。「とうえんのつづき」と題した楽しいおまけペーパーつき。