明治のはじめ、森村兄弟によって発足した雑貨商・モリムラブラザーズ。のちにノリタケカンパニーリミテッド、つまり我々が現在よく知る陶器の「ノリタケ」となる会社に成長し、世界を相手に日本の陶器の卸を手がけるようになります。本書は、明治から昭和の初期にかけての陶器作品、いわゆる「オールドノリタケ」の図案が大判で紹介されたファン必見の一冊。花鳥風月を繊細で優美な線であらわし、伝統だけでなくモダンなデザインもふんだんに用い、全世界で愛されるノリタケブランドが誕生してゆく様は見応えがあります。当時の紙に残された細かなデッサンの線もそのまま掲載され、森村組職人たちの粋が宿ったこの画帖。カップ、ソーサー、ティーポット。小さな陶器の宇宙をお楽しみください。特に目立つ難はなく、おおむね古書として標準的な状態です。