こちらを見つめる猫、花のなか微笑む猫、美女と戯れる猫…。主にヴィクトリア時代のアンティークポストカードの中から、猫がテーマのものを抽出し陳列した猫カードコレクション。コレクター・末次曜子さんの蒐集品から選び抜かれた猫たちの清廉かつ妖艶な美にはえも言われぬものがあります。猫がいかに人類に愛されてきたかという遺産のような趣も宿し、単なる写真よりも何かを雄弁に語りかけてくる猫カード。「来れ、美しき猫よ…」とボードレールの詩を冒頭に引用し、本文には朔太郎や西条八十らの詩も。そして巻末には寺山修司による「猫探偵としっぽのない少女が書いたライナーノート」という一文も寄せられ、猫という詩的存在を様々な角度で愛でる構成です。表の見返しから2-3ページに渡りシミが見られます。函もボール紙製の簡易なケースのような作りで玉紐で留めるタイプとなっており、シミのような斑点も一部みられますが元々のものも含まれると思われます。函の一部に窪み・小さくへしゃげた箇所あり。諸々ご了承の上お求めくださいませ。