類い稀なるユーモアとナンセンスな世界観で数々の傑作絵本を手がけた長新太のカット集が入荷しました。本書は、長田弘の愉快なエッセイ『ねこに未来はない』(晶文社、1971年)と、長新太の同じく愉快な『ブツブツとうさんほらふきノート』(晶文社、1973年)に掲載されたイラストをまとめたもの。湯気のように立ち昇るねこ、真っ直ぐな地平線をのぞむ一本道を歩くねこ、ねこ三味線、見上げるペンギン、飛び上がるペンギン、スルメのようなイカを飛ばすペンギン…。とらわれのない、自由な線で描かれた独特のキャラクター「ねこ」と「ペンギン」の不思議な魅力あふれる一冊となっております。
発行は吉祥寺・トムズボックス。長年にわたり共に仕事をしてきた仲間であり、長さんの作品の一番の理解者でもある店主の土井章史さんによるあとがきも必読。まさに「ただたんに長新太の描いたカットを愛でるだけの小さな本」。毎日持ち歩くことがてきるポケットサイズです。