戦前戦後にかけて料理人として腕をふるい、昭和24年には料理塾「魚菜学園」を設立し、日本の家庭料理に深く携わった田村魚菜（ぎょさい）のあらわす料理指南書。慣れ親しんだ献立からちょっと目先が変わったものまで、和洋を問わずフルカラーで多数紹介されています。１点１点が料理カードのようなデザインは今眺めても楽しく、家庭の主婦に向けたコラム欄は、今の時代からは距離を感じるものも多いのですが、それも含めて昭和の料理書を楽しむ醍醐味とも言えるかもしれません。家庭の味をあずかる主婦の気分を上げ、楽しく料理にとりくんで欲しい。そんな思いが伝わってくる一冊。函を取った本体の表紙デザインも粋で、料理本のデザインに興味がある方にもぜひ。
＊函の一部に変色・角のひしゃげアリ。本体もページが開きやすくなっている箇所はありますが、おおむね経年相応かと思われます。事前にご了承ください。
