梨の子という意味の「ペリーナ」と呼ばれる女の子。
大人たちから理不尽な目に遭わされ、大好きな王子と離れ、魔女の宝をとってくることに。貧しい人や恐ろしい番犬の苦しみを解放しながら、ペリーナは宝箱を見つけるが…。
イタリアに伝わる幻想的なむかしなばしを、作家イタロ・カルヴィーノが再話した『梨の子 ペリーナ』。こちらは、絵本作家の酒井駒子さんが描いた美しい絵本です。道中出会う者たちへ素直な心を向ける勇敢な女の子の姿が、酒井さんの純真な絵と見事に重なります。この物語が伝わるのはイタリアの丘陵地域、果樹が豊かに実る土地だそうです。自然の恵みを大切にしてきたイタリアの農民たちが紡いできた寓話を、ぜひ酒井さんの絵でお楽しみください。翻訳は、カルヴィーノの他の作品も邦訳されている関口英子さんです。