動物園の檻に囚われた一頭のカバ。ある夜逃亡を試みて…。猫、狐、ワニ、そして海。繊細でカラフルなタッチが特徴のアニク・ドリュモーによる挿絵が彼を取り巻く世界のすべてを鮮やかにし、ヴィヴィッドながらも心地よい色彩で見るものを楽しませてくれる美しい絵本です。船旅の末に幸せをつかんだカバの心和む表情と、洗練された背景とのコントラストも楽しい。前後両方の見返しデザインも凝っており、そういった点も見所です。60年代フランス絵本の魅力を。経年によるくたびれは若干見られますが、発行年を考えると概ね古書として標準的な状態です。