グリム童話の「おおかみと7匹のこやぎ」に、版画を思わせる独特のタッチで挿絵をつけた美しい一冊。子やぎたちの表情、狼の悪巧み、粉屋の困惑、ちょっと怖いハッピーエンド。繊細さと大胆さが交互に現れ、どの場面も楽しく彩ります。樹木や見返しのデザインにも見所があり、全体を貫く太い線がドイツの絵本らしい雰囲気を醸し出しています。発行年が記載されていないので明確には不明ですが、おそらく60〜70年代のものだと思われます。表紙上部にテープのはがしアトや黄ばみなどありますが、本体には目立つ難はなく、概ね古書として標準的な状態です。