劇作家・飯沢匡と美術家・土方重巳のコンビによる、日本の誇る人形絵本。戦後から昭和40年代くらいにかけて、様々な作品を生み出し子どもたちを楽しませました。70年代には海外にも場を移し、多くのオリジナル作品を現地でも発表しましたが、こちらはその輸出版のうちの一冊となります。テーマは「パンダ」。70年代という時代らしく、パンダの生態やその魅力について短く優しく伝えています。最終ページ、パンダのぬいぐるみとともに眠る少女、その部屋の様子などは本当に可愛らしい。まるごとパンダがテーマという少し珍しいこの作品。海外版も現在は基本的には入手不可の作品ばかりですので、貴重な一冊と言えるでしょう。こちらは作者の名前は飯沢匡しかクレジットされていませんが、人形制作は土方重巳が担当したものと思われます。制作輸出は日本、アメリカGrosset & Dunlap社発売の「Preschool Puppet Book」シリーズのひとつとなります。表見返しに元所有者によるサインあり、それ以外は目立つ難もなく古書として標準的な状態です。