昭和40年代に世界文化社から発行されていた「しつけの本」シリーズの一冊。ある日「ありがとう」の言葉をあくまにとられてしまった「たろう」。「ありがとう」をあくまから取り返す旅に出ます…。猫も馬もそして悪魔も「ありがとう」は言わない。お礼の言葉が言えるのは人間だからこそ。そんな人としての当たり前の気持ちを言葉に表す大切さを絵本は子どもたちに伝えます。そして、和田誠による挿絵が場面場面を彩って本当に素晴らしい。和田誠の児童向け挿絵の魅力が存分に味わえる一冊となっています。巻末には安野光雅による見開きの遊びページもありそちらも豪華な内容。最初の見開き部分に目立つシミあり、それ以外にも経年によるくたびれはありますが、綴じもしっかりしており概ね古書として標準的な状態です。古書特有のカビくささも若干残っておりますが、事前にどうぞご了承ください。