コステロ兄弟やダニー・ケイにチャップリン、日本ではロッパから藤田まことまで、喜劇というものを考察しつくした、小林信彦が中原弓彦名義でものした本書。スラプスティックとは何かをテーマに、芸人や作品解題、社会状況、メディアの変遷まで著者ならではのロジックが展開され300ページを超える内容は読みごたえ十分です。昭和30年代、映画も舞台もテレビもまだまだ主役だった黄金期と言える時代の、小林流喜劇論。小口全体にシミがみられ、ダストジャケット表袖部分にシミあり、その他経年によるくたびれは随所にありますが、おおむね古書として標準的な状態です。