クマおじさんに連れられて、ちいクマちゃんとともに農場を訪れたエディス。そこには本物の牛や羊がいて動物好きのエディスは大喜び。そして出会った子猫に一目惚れ、我が家に連れて帰りたいと小さな願いを胸にささやかな冒険が始まります…。デア・ライトによる人形たちを被写体とした『小さなお人形の物語』の続編ともいえる写真絵本の傑作。もちろんクマ達はぬいぐるみ、エディスはお人形ですが、そのスタイリングとカメラワークに独特のリリシズムがあふれ、モノクロ写真の雰囲気とあいまって自然の中で絶妙の美しさが展開されています。本来なら動かぬ人形と生きた動物たちを触れ合わせることで生まれる不思議な躍動感と愛すべき違和感。それらが本当にいとけなく可愛らしく、唯一無二の物語世界を作り上げています。登場する猫たちも、人形たちの遊ぶ夢の世界でその愛くるしさを存分に発揮し、人形と猫という極上の組み合わせが実現した傑作となっています。本作は現在はペーパーバック版で復刊されていますが、こちらは1960年刊行の初版・ハードカバーとなります。邦訳は未刊行。1箇所にボールペンでの書き込みあり、ほか表紙の角にツブレと紙のめくれが少し見られ、綴じも若干甘くなっている箇所があります。事前にどうぞご了承ください。