ウマを力で飼いならすことになじめずに、その言葉に耳を澄ますことからウマとのコミュニケーションをスタートするも、なかなか上手くいかない。ふとしたことをきっかけに、馬の世界の在り方が見えはじめ、無理なコミュニケーションではなく、自然な共生を志すようになる。「弱さ」や「辺境」がテーマとして綴られながらも、その成り立ちはとても現代的で、規模は小さいながらもこれからスタンダードになるであろう出版の在り方を予見している。
与那国島に住む著者が、ごくパーソナルなことを綴り、それを日本のあちこちにいるスタッフと共同で制作し、オンデマンド印刷によって少部数単位で発行する。どこに住んでいても、どんなに個人的な内容でも、クオリティの高い本は作れるし、全国に届けることもできる。内容はもちろん、出版の在り方そのものも考えさせてくれるのがカディブックスの刊行物だ。