『石は元素の案内人』の著者、有機化学者の田中陵二さんによる第二作目。今回は様々な試行錯誤を繰り返して自然界の中から探し出されてきた色をめぐる探究。
絵の具や色鉛筆、クレヨンやサインペン。何気なく使っている便利な“色”がない時代、人はいろいろな色を石からとりました。「さて、かたい石から、どうやって?」
孔雀石と藍銅鉱を金づちで割って、乳鉢ですりつぶして…。土を焼いてみたり、猛毒と化学反応させたり、植物と微生物の力を借りたり。昔の人が実際い行った色をつくり出す手法から、染料や染め方、そして現代のテクノロジーに活用される機能性色素まで。
月刊誌とあなどるなかれ。今回で463号を迎える、着眼点と内容の濃さに毎回脱帽の「月刊 たくさんのふしぎ」。巻末にはミイラの茶色などなど、全64色の特製<幻の色たちポスター>つき。資料集としても十分ご活用いただけます。(藤林)