「男社会」とは。昨今ではネガティブな意味で使われることもしばしば。それはなぜなのか。
本書は文筆家・インタビュアーである尹 雄大(ユン・ウンデ)さんによる、自身の体験や経験を語りながら、男性性について思考した1冊。
「男の子の自覚はいつ訪れた?」という小見出しでは、小学2年生まで中性的な背格好であったため、デパートの売り場でメイクをされたこともあるという著者。自身が男社会の一員であるという自覚、根源を振り返りながら、 「どのようにあたかも自然と男は男になってきたのか」、「恐怖と勇気が与え、奪い去ったもの」、「切断の恐怖と悲しみと痛み」、「猥談とノリ」、「男性性と女性性」と、大きく5章にわけ、男らしいとは何か、記憶や体験を思い起こし、掘り下げて、人のつながりについて、執筆当時50歳となった自身の等身大として語った1冊。
(原口)