散歩に行こうよ。
そう呼びかけ合える相手と、一生にどれだけ出会えるだろうか。
目的もなく、行く先もなく、ただ一度きりの偶然を分かち合う。
それは本当に特別なことなのである。
(「散歩に行こうよ」より)
『数学の贈り物』から3年半、独立研究者・森田真生さんによるあらたなエッセイ集。
気ままに行くあても決めず出向く散歩もあれば、土を踏みしめながらあらゆることを思索し、終わらない歩みをたどる散歩も。さまざまな形があり、すべてが一度きりで、同じ気温・同じ風が吹く中、同じ道を進むことは二度とない。
第一章では、2017年の夏から冬にかけて連載されていた、日本経済新聞夕刊内「プロムナード(フランス語で「散歩・散策」の意)」でのエッセイを、当時の順序のまま収録。第二章では、思いきり駆け抜けることもあれば立ち止まることもあった、家族との日々をめぐるいくつかのエッセイを収録。そして第三章では、人間以外の生物との遭遇・邂逅の場としての散歩について考えます。一瞬と偶然がゆるやかにつながって線となり、頭の片隅に、手先に、記憶の一片として長くとどまっていく。森田さんの、自然と生き物、それらを取り巻く総ての事象に向けられたあたたかくもおおらかな眼差しをも感じられる一冊です。(韓)
商品情報 |
著者 | 森田真生 |
出版 | ミシマ社 |
サイズ | 130mm × 185mm |
その他 | 237P / ソフトカバー |