2016年、福島県三春町に居を移し器と生活道具のお店を営んできた長谷川ちえさん。その暮らしを綴った『三春タイムズ』から2年、第二弾が刊行されました。「手前味噌」「梅干先輩」「井戸」「ゆべし」「バス待ちの人」…。タイトルからも三春での長谷川さんの暮らしぶり、そして町を楽しみ土地を慈しむ空気が伝わってきます。それぞれ二十四節気に合わせて執筆されており、季節の移り変わりを読み進むのもこの静かな本からもたらされる喜びのひとつ。都市から離れて暮らすことを選び、その地で商いをする。その歩みのひとつひとつを柔らかな文章と誠実な目で綴った涼やかなエッセイ集。淡々とした暮らしも、土に水がしみこみやがて芽が出て花が咲くことにも似て…と語る長谷川さん。そういった暮らしも三春町だからこそ。巻末に付された元三春町長・伊藤寛さん訪問記からも、それがよく感じられます。前作に引き続き、素描家 shunshunさんによる数々の挿画も穏やかで美しく、シンプルなブックデザインとあいまってにじみ出る不思議な透明感。時の流れ、文章の味わい、そして装丁。いろいろな点からもぜひ正続と二冊並べてお楽しみください。ただいま限定にてお二人のサイン本となっております。