「三回目の逮捕の後、もう本当にダメかも知れない、という気持ちと、
確実になった刑務所生活を一秒でも短くしたいという気持ちから、ダルクに通所することにした。
アルバイトとダルクを両立させていること(社会生活に問題がなく薬物依存を認めその治療にあたっていること)、
家族、友人との関係が良好であること(社会的な受け皿があること)が、
裁判において有利に働くらしいということをプッシャーの友人に教えてもらったからだった。」(本文より)
編集者・北尾修一さんを主宰とする百万年書房の新レーベル「暮らし」。堀静香さん著『せいいっぱいの悪口』につづく第二弾が届きました。本書の書き手となるのは、阪急淡路駅近くのサイクル・カルチャーショップ「タラウマラ」の元スタッフであり、ラッパーとしても活動を行うマリヲさん。「タラウマラ」が手掛けるZINE『Face Time』vol.1?3に寄稿したテキストと、新たな書き下ろしを追加。薬物が身近にある日々のなか、のたうち回り逃げ回っても垣間見える暗然さの内側で考えること、刑務所でのこと、エホバの証人に入信していた母のこと…。それらがすべて美談化されていくように生活は淡々とつづいていく。ありのままの日々をむき出しの言葉で綴った、ひとつの救いでもあるかのような存在感を放つ衝撃的なエッセイ集。