2022年10月に100歳を迎えた、染色家 / アーティスト・柚木沙弥郎さん。
本書は、孫である丸山祐子さんが現役で奮励する祖父の活動、記憶、言葉を書き留めた「samiroノート」を元に刊行されたもの。
沙弥郎という名の由来、美術雑誌『VEREVE』との出会い、民藝を担う次世代として歩み始めたきっかけ、柳宗悦や芹沢_介との交流、ひたむきに染色と向き合い、80歳を迎えはじめた「自由」な一人暮らし…。柚木さんの抱く旺盛な創作欲とのびやかな思想、変わりゆく時代にも慌てることなく寄り添っていくその姿は、若き精悍な少年のようにも思えます。柚木さんの歩んできた歴史と仕事の軌跡、家族へ見せる表情をも捉えた0歳から100歳までの貴重な写真とエピソードを収録。まるでひとつのアルバムをめくっているかのような美しい装丁も魅力的です。(韓)