使われなくなった陶磁器をもう一度焼き直すことにより、新たな表情を引き出し、再焼成したものを再び社会に還元する。関西を拠点とする芸術家や有志によるプロジェクト・サイネンショー。本書は活動10周年を記念し、2013年から2022年までの歩みと記録を一冊にまとめたもの。
高温で焼成され、窯変により歪んだ器同士が溶融され偶発的な造形された作品たちの紹介と共に、服部滋樹(graf)、村野正景(京都文化博物館学芸員)、上村博(美学者)、山崎亮(ランドスケープデザイナー)の対談、寄稿などを収録。新たな美の形と、これからのものづくりの在り方や環境への所作について。土、釉、薪など、作陶に必要な原材料が廃棄されたり野晒しにされることや、焼成のために必要なエネルギー源を電気・ガスといった化石燃料に極度に依存している今日の制作環境を再考するきっかけを齎してくれます。(韓)