東京喫茶店研究所二代目所長の難波里奈さん。学生時代に昭和の文化に夢中になり、ふるいもの、まるいもの、あまいもの、飽きることのない幸せを、現在までひたすら訪ね歩くこと2000軒以上。
本書は2012年当時、純喫茶を紹介する人気サイトとなっていた「純喫茶コレクション」より厳選した68店舗を掲載し、装丁に美術家であり東京喫茶店研究所初代所長・沼田元氣氏を迎えた純喫茶愛に溢れた初著書『純喫茶コレクション（PARCO出版）』を、大幅に加筆し再編集し文庫化したもの。
掲載店は81軒にボリュームアップし、ロゴ・表紙デザインは粟津潔氏を迎え、新たな装いに。
カラーページ豊富にめぐる個性豊かな「純喫茶」の数々は各店、所番地とともに、彼女の思い出やお勧めのメニューなど、好奇心とノスタルジー伝わる文章が添えられております。
また、「かつて愛された名店たち」では、何度も利用したお店から、僅か数十分が、最初で最後の思い出となってしまったお店など、今はもう訪ねる事ができない素晴らしい純喫茶の数々を彼女の追憶とともに。 頁の時折に、マッチやナプキン、コースターなど、ささやかなお土産として大切にコレクションしているものの一部を紹介し、巻末には小説家・田丸雅智さんのショートショート『喫茶「ヘヴン」』を収録したまさに「純喫茶」をコレクションした1冊。チャーミングな「純喫茶」たちの姿にすっかり虜に。見つけてしまったら、きっとその扉を開けずにはおれないことでしょう。（原口）