スウェーデンの離島にある小さな手工芸学校でテキスタイルを学んだbanryokuさん。布や陶芸、張子、絵などさまざまな素材と手法で作品を生み出す彼女が本書で手掛けるのは、どこにもないのにどこか懐かしい、あたたかな子ども服。
ボトムスとのコーディネートや生地の切り替えが楽しいエプロン型のワンピース、ケープのついたコート、動く度に舌の揺れる犬の顔のついたオーバーオールやジャンパースカート、ベルボトム、端切れで作るつけ襟など、遊び心あふれる全13点。(90-130の全5サイズ・実物大パターンつき)。生地の素材や色、柄など組み合わせも楽しみながら自由な一着を拵えたい。
今や手軽に量産されたものが手に入る時代において、画一化されたものではなく、型にはまらないものを作るということ。相手の顔を思い浮かべ、気持ちを込めて作られた服は、やがて着られなくなっても愛情や豊かな創造性となり、きっとこの先も残り続ける。ものづくりのシンプルな喜びがたくさん詰まった一冊。(岡本)