銀色のロバ、プラテーロに優しく語りかけながら過ごした日々が綴られたJ・R・ヒメネスの代表的な散文詩。作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコが、その散文詩から28篇を選んで作曲した〈ギターと朗読のための音楽〉をもとにつくられた詩画集です。
貧しい子供たち、背中いっぱいに背負い込んだ風鈴草、炭焼きの小さな娘、深いエメラルド色をした井戸の底…。詩人の目に映るアンダルシアのメランコリックな田園風景とプラテーロの姿が、山本容子さんの銅版画によって、柔らかなオレンジ色の背景の中に描き出されています。同じく理論社から出版された同タイトルの本(訳:伊藤武好、伊藤百合子 絵:長新太)も素晴らしいのは言うまでもありませんが、こちらは音楽と共に生まれた詩画集としてお楽しみ下さい。