−作家たちが自ら料理し、その手順を綴ったエッセイを精選。内田百�痢∪舒翕躬辧�武田百合子らの「お家ごはん」をなぞる悦楽。−
小説や随筆を読んで、その中に出てくる場所へ行ってみたいという好奇心と同様に、その中に出てくる料理を作ってみたり、食べてみたいと思うことはないでしょうか。ライター・編集者として活躍される野村麻里さんが精選した30名の作家の手による料理と、そのエッセイが収録された珠玉のアンソロジーとなっております。味わい深いイラストはナガノチサトさん。
文章の中に描かれる料理は、詳細にレシピが書かれていることもあるけれど、ほとんどが、読者の経験に基づいて分量や工程を勘で探ってゆかねばならない。それでも作家の文章を読み解き作る一皿により、その物語は自分の生活に溶け込み、いつしか日々の営みに変わってゆく。こんなにも、長く物語を咀嚼する術があるだろうか。
