新潟県・佐渡島で伝統文化や特有の風土に触れながら、繰り返し島を訪れながら撮影を続けるフォトグラファー・赤木雄一さんによる写真集。
本書に収録されているのは、2014年秋・癌の宣告を受けた赤木さんの母と、甥と姪との約半年間の記録。時系列に添った構成となっており、順を追いながらページをめくってご覧いただけます。死という回避できない様態を目の当たりにしながらも合間に挟まる、生きることへのたしかな決意。残酷なほどに生々しくつきつけられるようでありながら、目を通す誰かの過去や未来に寄り添う記憶たち。いまそこにあるような深い衝撃と小さな静けさをも残す、情愛に満ちた断片集。手に馴染むアルバムのような大きさ、造本の細部までもがうつくしい一冊です。