今号の「広告」は「虚実」
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嘘と本当、フィクションとリアリティ、イメージと実体、バーチャルとフィジカル、心と体、形而上と形而下……。虚と実を二項対立ではなく、混ざり合い作用し合う“化合物”と捉え、不確かで多様な現実やもののあり方について様々な視点を投げかけます。
雑誌「広告」とは
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広告代理店「博報堂」が発行する、長い歴史を誇る雑誌。数年おきに編集長が代わり、その時々でまったく違う媒体へと姿を変えるのが特徴。現在、編集長を務めるのは、プロダクト・イノベーション・チーム「monom(モノム)」代表の小野直樹さん。プロダクトデザインに携わってきた小野さんがモノづくりの視点から制作する特集はいずれも、雑誌の常識を遥かに飛び越えた刺激的なもので、毎回、話題を呼んでいます。例えば、リニューアル創刊の特集「価値」号の販売価格はなんと1円でした。極端な仕掛けから、モノの本来の価値や意味を考えるように促し、一石を投じていきます。
目次
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84 虚実と世界
哲学者 清水高志 × 『広告』編集長 小野直紀
文:斎藤 哲也
85 人はもの自体を認知することはできない
認知科学研究者 渡邊克巳 インタビュー
聞き手・構成:金 じょんひょん/文:かのう よしこ
86 認知拡張が拓く人間や世界のあり方
VR研究者 鳴海拓志 インタビュー
聞き手・構成:金 じょんひょん/文:かのう よしこ
87 セカンドライフ社会学
社会学者 池上英子 インタビュー
聞き手・文:岡田 弘太郎
88 プレ・メタバースと消費
無限の世界で金と時間はどこへ行く?
構成:岡田 弘太郎/文:川鍋 明日香
89 「虚」の「構築」について
まんが原作者 大塚英志 インタビュー
聞き手・文:小笠原 健
90 なぜ人はSFに魅了されるのか
文:山本 友理
91 物語と社会批評
社会哲学者 稲葉振一郎 インタビュー
聞き手・文:鈴木 絵美里
92 ビデオゲームの虚構と現実
美学者 松永伸司 インタビュー
聞き手・文:高橋 ミレイ
93 映画におけるフィクションとリアリティ
映画監督 西川美和 インタビュー
聞き手・構成:黒柳 勝喜/文:小松 香里
94 ディズニーランドの虚構と現実
文:立花 陽菜
95 プロレスとは何だろうか?
文:常見 陽平/編集協力:三富 兜翔
96 衣服と人間の関係史
つくること、買うこと、借りること
文:小形 道正
97 建築における「ただならなさ」
文:大野 友資
98 アンリアルな風景
CG作品『Waiting for』から考える
文:原田 裕規
99 写真と現実の不一致
ぼんやりとした虚実・信じることの怠惰
構成:酒井 瑛作/文:村上 由鶴
100 ポップ・ミュージックの虚実
歴代のポップ・アイコンはどのようにつくられたか
文:照沼 健太
101 芸名の歴史とその特質
文:村山 佳奈女
102 空想する力と創造する力
発達心理学と脳科学から考える
文:笹川 ねこ
103 『消費社会の神話と構造』と現代の消費
記号学者 石田英敬 インタビュー
聞き手・構成:猪谷 誠一/文:猪谷 千香
104 消費のためのデザイン
文:佐藤 由香/協力:矢島 進二
105 広告に見る虚実
“MAD MEN”と“GOOD PERSONS”のあいだ
文:河尻 亨一
106 聖なるものづくり、聖なるブランディング
構成:福井 良應/文:杉本 恭子
107 なぜ人はものをつくるのか
認知考古学から見る古代の「もの」と「ものづくり」
文:西山 薫/協力:北川 一成