もし、虹のはしっこにたどり着く事ができたなら、金の鍵が見つかるんだよ。ある日の夕暮れ、いつものように男の子に大叔母さんが話します。男の子は虹のたもとを探しに行き、そして金の鍵を見つけるのですが、そこにはなんと妖精の国に迷い込んだ女の子がいたのです。そこで2人は鍵穴を探す旅に出るのですが、なんと不思議に満ちた旅なのでしょう。現実と非現実の間で登場する、ありとあらゆるものが魅力的に描かれています。また、造本もとても素敵な一冊です。薄緑のカバーをそっと外すと、箔押しされた可憐な装飾が現れます。差し込みの水色のリーフレットには、訳者の脇明子さんの言葉で本の紹介があります。物語を読む前でも、お読みになった後でも、素晴らしい読書体験のお供をしてくれます。贈り物にも大変素敵な一冊です。(原口)