手に触れる星屑みんな薔薇にして次々捨てていくんだ秋に
青空を見下したくてその昔君が道路に置いた手鏡
ひと針ひと針、縫い紡がれ、そのどの手順も抜かされると完成しない刺繍の様に、
読むほどにぷつりと刺し、心に散らばったカケラを掬って、決してバラバラでは無かったと、またぷつりと繋げてくれる歌たち。
その言葉の連なり、音の聴こえは素晴らしく、柔らかくシンプルな装丁、品性に溢れた美しい歌集です。
・2007年「やがて秋茄子へと到る」30首で「短歌研究」新人賞最終候補となった新鋭歌人の第一歌集。
・1頁に1首を配して、195首をおさめた。ブックデザイン:関宙明(ミスター・ユニバース)