ある日突然母親を亡くした少女フウコが身を寄せた先は、たった一人の肉親である叔母の住むお屋敷。この風変わりで物静かな叔母・鈴子さんの元で暮らすうち、少しずつ見えてくる周囲のこと、家族の歴史、人の想い。物語は、フウコの癒しと成長、そしてアリ分類学者でもある鈴子さんの研究生活、このふたつを軸に動きます。母を亡くした少女、初めて聞く叔母の存在と秘めた過去、大きな屋敷、研究生活…短いストーリーのなかに様々なモチーフをちりばめながらも、簡潔で清廉な文章に好感が持て、小品としての味わいも深い本書。児童文学のジャンルに属しながら、どこか伝統的な少女小説の趣もたたえ、そういう意味でも魅力的な一冊です。兵庫在住の文筆家ヨシカワヨシオさん主宰のレーベル、フラスコ書房より。
商品情報 |
著者 | ヨシカワヨシオ |
発行 | フラスコ書房 |
サイズ | 110mm x 180mm |
その他 | 96P / ソフトカバー |