ノーム、すなわちおとぎ話に出てくる小人たちは本当にいるのか?いるのだ!と、実際にノームの国へ出かけルポをしたという設定で書かれた本書。空想やフィクションの域を超え、絵と文で独自のファンタジー世界を築き上げた名著が新装愛蔵版として帰って来ました。ノームたちの暮らし、文化、自然との共存、哲学などなど微に入り細を穿ちその生活を活写した様子は、その独特のイラストレーションとともに見事なリアルさでもって読者を魅了します。旧版の版元はサンリオ出版。サンリオらしい夢とファンタジーにあふれた本作りが素晴らしく、長らく復刊を待たれていた一冊でもあります。愛らしいノームたち、彼らは本当にいるのかもしれない。超自然の存在を信じたい人々の心にぬくもりをもたらす一冊。空想やおとぎ話が人生に欠かせない、かつてそんな少年少女だった人たちへ。