第三の新人。小島信夫、小沼丹らとともに活躍した小説家、庄野潤三。正確な文章と家族に向けられたあたたかな愛情。選集『親子の時間』を刊行している個人出版社の夏葉社から庄野潤三の作家案内ともいうべき一冊が刊行されました。2018年から一般にも開放される自宅写真を中心に、小説家であり長女、今村夏子ら家族の寄稿や、佐伯一麦、岡崎武志をはじめとする愛書家の文章が添えられ構成された一冊。短編まで仔細にまとめられた作品リストなど資料面も充実。50年以上の歳月を経て、一層輝きを放つ庄野潤三の作品世界に改めて触れるそのきっかけに。